ソフト測定技術
      見えない世界が見えてくる   〜小型モータから飛行機まで、専門知識とコンピュータを駆使した解析技術〜
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有 限 要 素 法
 有限要素法って何ですか

 有限要素法(Finite Element Method, FEM)はコンピュータを使ったシミュレーション手法の一つです。電気機器の解析だけでなく、機械や建造物の強度計算で広く使われています。有限要素法では、まず解析対象を有限数の小さな領域に分割して、それぞれの要素内で求めたい値(電磁場、流体、力、応力、etc)が成り立つ一次方程式を作成し、全体として大きな連立一次方程式を作ります。そしてその連立方程式を解くことによって、必要とする値を求めます。

 手計算や電卓を使って計算することも可能ですが、解析対象を100個に分割したとしたら、計算結果を得るために数日間ひたすら計算を続けなくてはなりません。実際に、モータや建造物の解析を行うには数千個から数十万個に分割して計算を行う必要があり、人力では不可能です。
 歴史的には、1950年代に航空機や建築物の構造計算に使われ始め、1960年代後半から、電磁界解析に使われるようになりました。有限要素法を利用した解析は、コンピュータの発達と共に応用範囲が広がりました。

 どんな分野で使われていますか?

 有限要素法を使った解析では、
  ・電磁界解析…モーター・変圧器等の効率や損失計算
  ・機械強度解析…飛行機・自動車・鉄道車両等の強度計算
  ・土木建造物解析…橋・ダム・防災工事等の強度計算
  ・建造物解析…ビル・マンション・一般住宅等の耐震強度計算
 様々な分野の解析に利用されています。

 コンピュータを使った解析の利点は、実際に物を作る前に、作ろうとする物をコンピュータ上にシミュレーションして、その強度や特性を求めることができる点にあります。解析結果から、目に見えない力や損失の分布を知ることができ、弱点を補強したり、より効率的な構造を探求することができます。

 どのような研究をしていますか?

 有限要素法による電磁解析手法を用いて、高効率モータの開発、トップランナー方式対応の次世代変圧器の開発、IH(インダクション・ヒーティング=誘導加熱)に関する研究、高磁場発生に関する研究などを行っています。

 私たちの未来にどのようにつながりますか?

高効率モーターの開発
 私たちの日常生活に欠かせない乗り物は自動車です。今、その自動車の世界が大きく変わろうとしています。ガソリンや軽油を主体としたエンジン駆動から、ハイブリッドカーや電気自動車への転換です。
 次世代自動車のキーデバイスが、モータと電源になります。小型で高効率のモータ開発に終わりはありません。どこまでも小さく、どこまでも効率的なモータの開発に、世界中のメーカーや研究者がしのぎを削っています。高効率モータの開発で、自動車の未来が変わります。

変圧器の開発
 私たちの便利で快適な生活は電気で支えられています。変圧器の事を気にして生活している人はほとんどいませんが、変圧器は、低い電圧を高くしたり、高い電圧を低くしたりする送配電に使われる地味ですが、無くてはならない重要な機器です。電気が変圧器を通って変圧される時、電気エネルギーの何%かは、熱として排出されてしまいます。日本中で使われている送配電用変圧器の総数は数え切れません。もし、日本国内で使われている変圧器の効率が1%向上すれば、発電所数個分の電気が節電できます。世界中で考えれば、その効果は計りしれません。
 変圧器の開発は、便利さには繋がりませんが、地球規模で考えた時に、エネルギー消費を抑え、私達の地球環境保護に貢献します。

有限要素法の利用
 コンピュータの進歩と共に、有限要素法を利用した解析範囲が広がってきました。これまで処理能力の関係で、不可能だったことも可能になってきました。ものづくりに対する要望は、安く、早く、大量生産の時代から、高効率、安全、少量多品種に移った今、有限要素法による解析技術は新しいものづくりの時代を切り開く切り札の一つになります。

更新日 5/23/2014

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